家族の加入について

健康保険では、被保険者だけでなく、被保険者に扶養されている家族にも保険給付を行います。この家族のことを「被扶養者」といいます。被扶養者として認定されるためには、「国内居住」のうえ、「家族の範囲」と「収入」について一定の条件を満たしている必要があります。

POINT
  • 被扶養者認定チェックチャート
  • 被扶養者となるためには、健康保険組合の認定を受けなければなりません。
  • 被扶養者の異動があった場合は、14日以内に届出をしてください。

被扶養者となる条件

  • 健康保険法で定める家族の範囲であること。(国内居住要件を満たしていること〈※1〉)
  • 年間収入が130万円未満(60歳以上または障がい者〈※2〉は180万円未満)の者で、被保険者の年間収入の2分の1未満であること。
  • 被保険者はその家族を経済的に主として扶養している事実があること。(=扶養する家族の生活費を主として負担していること。)
  • 扶養する家族の収入が月額108,333円未満(60歳以上または障がい者は月額150,000円未満)であること。
  • 後期高齢者医療制度の適用を受けていないこと。
  • 扶養する家族の雇用保険の失業給付、傷病手当金、出産手当金の受給額が日額3,611円未満(60歳以上または障がい者は5,000円未満)であること。

〈※1〉国内居住要件:日本国内に住民票を有し、かつ、生活の基礎が日本にあること
(例外:外国において留学する学生、外国に赴任する被保険者に同行する者など)

〈※2〉障がい者とは、概ね障害年金受給要件に該当する方をいいます。

扶養条件をチェックチャートにてご確認いただけます。 ⇒ 被扶養者認定チェックチャート

家族の範囲

被扶養者となれる家族の範囲は、三親等内の親族と決められています。さらに、同居・別居により、条件が異なります。

被扶養者となれる家族の範囲 親等図
  • ※同居(同一世帯=住民票同一)とは、被保険者(あなた)と扶養する方が住民票上も同一世帯で住居および生計を共にしている状態をいいます。世帯分離(同一の住所に世帯主が二人)の場合は、別居扱いとなります。

収入の基準

被扶養者となるためには、「主として被保険者の収入によって生活していること」が必要で、同居・別居の有無、年間収入により判断されます。

同居している場合 別居している場合
対象者の年収が130万円(60歳以上または障がい者は180万円)未満で、被保険者の収入の2分の1未満であること 対象者の年収が130万円(60歳以上または障がい者は180万円)未満で、かつ、その額が被保険者からの仕送額より少ないこと

別居の場合の仕送り基準

  • 被保険者が継続的な仕送りで扶養する方の生活費を主として負担していること。
  • 扶養する方の収入が限度額未満であって、その収入額以上の仕送りをしていること。
  • 仕送り方法としては金融機関から扶養する方の口座へ毎月定期的かつ継続的に振込みをしていること。
    なお、送金証明書(振込明細書、通帳の写しなど)が必要です。※手渡し不可
  • 扶養する方が無収入の場合の仕送り額は、扶養する方が1人の場合6万円以上、2人の場合は9万円以上必要です。

自営業者(フリーランス)の扶養認定

自営業をしている方で、以下①または②に該当する場合は収入金額に関係なく扶養できません。
①税務署へ開業届を提出している方
②従業員(親族を含む)を雇用し給与などを支払い事業を営んでいる方
ただし、①または②に該当せず、自営業収入が年収130万円未満(60歳以上または障がい者の方は180万円未満)の方は扶養できます。

  • ※自営業収入とは、総売上金額から売上原価を控除した金額をいいます。

収入の種類

収入とみなすもの 収入とみなさないもの
今後の経常的な収入の全て給与(アルバイト・パート含む)、公的年金、企業年金、利子配当収入、恩給、遺族年金、遺族補償金、労災休業補償、雇用保険の失業給付金、傷病手当金、出産手当金、仕送り、養育費、株式配当金、譲渡益、等
  • 不動産売買、等
  • 田畑所有しているだけで耕作や賃貸収入等がなければ収入とはみなさない

「年収の壁」に対する政府の施策について(2023年10月より)

参考リンク

年収130万円の壁に対する対応

被扶養者認定は前年の課税証明書等の確認で行われていますが、人手不足による労働時間延長等に伴い一時的に年収が130万円以上となる場合は、事業主の証明を添付することにより、収入見込額が130万円以上であっても、引き続き被扶養者の認定を受けることができるようになります。
(同一の者について原則として連続2回までを上限とします)

「一時的な収入増加」として認められるケース

  • 他の従業員の退職により対象者の業務量が増加した
  • 他の従業員の休職により対象者の業務量が増加した
  • 事業所の受注好調により事業所全体の業務量が増加した
  • 突発的な大口案件により事業所全体の業務量が増加した
  • ※基本給が上がった場合や、恒常的な手当が新設された場合など、今後も引き続き、収入が増えることが確実な場合においては、一時的な収入増加とは認められません。
  • ※あくまでも事業主都合による一時的な収入増加が対象となるため、事業主と雇用関係にないフリーランスや自営業者の事業収入は対象となりません。

被扶養者の収入にあたっての「一時的な収入変動」に係る事業主の証明書

被扶養者認定における国内居住要件の追加について

2020年4月より、健康保険の被扶養者認定の要件に、国内居住要件が追加されました。日本国内に住所を有していない場合、2020年4月1日以降は、原則として被扶養者の認定はされません。(海外留学等、一定の例外あり)

国内居住要件の考え方について

住民基本台帳に住民登録されているかどうか(住民票があるかどうか)で判断し、住民票が日本国内にある方は原則、国内居住要件を満たすものとされます。

  • ※住民票が日本国内にあっても、海外で就労している等、明らかに日本での居住実態がないことが判明した場合は、国内居住要件を満たさないと判断されます。

被扶養者の異動(変更)があったら

結婚や出産等により被扶養者が増えたときや、就職や別居、死亡等で、それまで被扶養者に認定されていた家族が被扶養者の認定基準を満たさなくなった場合は手続きが必要です。なお、当健康保険組合では毎年、被扶養者の資格を確認するための健康保険被扶養者資格調査を行っています。